“あるようで、ない。ないようで、ある。すべてがほら吹き、根無し草。けれどもいつかウソが本当に。これらのうちのいくつかが、そ知らぬ顔であなたの地元のお祭りをにぎやかすようなことにはならないかしらん。”(本文より)
『画賊の日本みやげ(画賊vol.4 OMIYAGE DREAM)』/画賊
画家や張り子職人などから構成される芸術集団「画賊」。
賊長、玉野大介を中心に芸術同人誌『画賊』の発刊と永続的刊行目的に集まった13人のメンバー。
そんな彼らが本の行商の中で出会い、作り始めた“土産”たち。
ここにしか載っていない摩訶不思議、珍品奇品の数々がボリュームたっぷり紹介されております!カラーブックスへの愛を感じる表紙にも注目!
「偽石」や「枯山水ゲーム」、「大ミミズ座像」に「ソニー煎餅」、「日系お面 シティーガール」などなど。展示風景の写真やコラムなど、図版以外も大充実。
僕も最近なにかと興味がある「置物」や「郷土玩具」。
「美術」や「彫刻」という言葉が浸透する以前より民衆の生活の中にあった造形物。
一番最初に作った人に思いを馳せる。
農閑期、時間があったから作ったのか。材料がそこらじゅうにあったから作ったのか。売れるから作ったのか。信仰のために作ったのか。
調べると度肝を抜くような造形やモチーフのものが沢山ありました。
確かに、カワイイし、ユルいし、オモシロイんだけど、、、
そういうのをひっくるめた美しさ、圧倒的に健康な美しさがあるんだと思います。
興味はまだまだ尽きません。
そんな中、若い人で置物や玩具制作をしている人はいないのかなぁなんて思っていたところ出会ったのが、画賊のメンバーでもある張り子職人、前田ビバリーさん。一度は廃絶してしまった地元長崎の「鯨の潮吹き」の張り子を復元製作した方です。
「鯨の潮吹き」のように使命感を持って作られたものから、冒頭で引用した“ほら吹き、根無し草”のようなものまで。作られてしまった以上、ホンモノとして存在しちゃうのが面白い。ホントに、そ知らぬ顔で地元のお祭りをにぎやかすような楽しい未来を期待します。それでは、ドウゾよろしく!
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