鹿児島のキャパルボの一階に入っていた
ヴィレッジヴァンガードが閉店した。
入って店内を見渡しても、全国のどこにでもあるヴィレッジと
そう変わらない―まあ、フランチャイズだしそれが当たり前と言えば
当たり前なのだけど。
でも、今住んでいる街にある「ヴィレッジヴァンガードになろうとして必死な
ヴィッレッジヴァンガード」とかと比べると、
店舗としての見た目は似ていても
どこかしらキャパルボ店だからこその店の作り方というか、、、
店の生命力みたいなものを感じた。
現存した九州最古のヴィレッジの意地?
本棚の作り方も「なんとなくこういう本置いときゃオッケーっしょ!
ヴィレッジっぽくて!」と感じるような店が多いなか、
「遊べる本屋」の名のごとくやっぱり本棚の編集がちゃんとしていて
だからこそ、雑多な雑貨があれだけの量あっても
店の芯のようなものを感じられたのかもしれない。
通っていた美術予備校が近かったこともあり、本当によく
ぶらりと入っては雑誌や本を眺めて、気に入ったら購入していた。
道を挟んだ反対側にはヴォアラコーヒーもあり、
ヴィレッジで雑誌を買ってコーヒーをテイクアウトして
キャパルボのデッキでだらだら過ごすのは
高校生のぼくの最大限の背伸びだった。
今となってはポップも思い出せないけど、
地元のフリーペーパーが置いてあったり、本や雑貨にも
ちょっとした鹿児島らしさがあったりして
そんな「地元感」もとても好きだった。
サブカルが好きな人も、本が好きな人も、
お洒落な人も(お洒落なお客さんもよく見るヴィレッジでした)、
背伸びしたい中高生も、バンドマンも、暇な人も、
色んな人がいるヴィレッジヴァンガード。
店長の馬場さんはOWLという生活用品店もやっており、
服に雑貨、キッチン用品、文房具、本、、、と
色んなものが置いてあるけど、確かな店のカラーが感じられ、
こちらも大好きな店だ。
サブカルチャーにまみれた雑多で楽しい店と
お洒落だけど生活に根付いた店。
一見、店から受ける印象は正反対だけど、
どちらも馬場さんの視点でお店を編集していて、
その視点を考えながら店内を見るのが楽しみだった。
大学進学で鹿児島を離れた今でも、帰ってきたら
待ち合わせまでの待ち時間を過ごしたり
飲んだあとに酔い覚ましに寄ったりと
用はないけど行くことが多かった。
むしろ、そういう使い方のできる店はここしかなかった。
もう、デッキで雑誌を読みながら馬鹿話をしたり、
キャパルボ前を集合場所にして飲みにくり出すこともないのかなあ。
ぼくの中の地図が変わってさびしいけど、
今までありがとうございました。
(写真はヴォアラのコーヒーと彦一だんごのおやつ。キャパルボのデッキにて)
馬場さんの文章を見付けました:http://blog.tenblo.jp/reborn/kiji/13927.html