僕は油絵を描いていた。
その間の約5年、このアトリエに通っていた。
野間隆という、洒落たじいちゃんが先生。
埃を被った先生の若い時の作品をひっぱり出したり
棚の中の画集を読みあさったり
新作を描く手元を眺めたり、全てにどきどきしていた。
師匠である野間先生の影響で、描いていたのは主に鹿児島の風景ばかり。
よく二人でスケッチにも行っていた。
夏に実家に帰った際、一年ぶりにアトリエを訪ね、
近況を報告した。
そして後ろめたく、申し訳なくて「油絵以外も色々やってます」と
ずっと濁してきていた「油絵をやめた」ことをきちんとお話しした。
今やっている、これからやっていきたい活動のこととともに。
嬉しそうに「きみは、こんなこともやっとったんかあ〜!」と
笑って言っていたので、ホッとした。
胸を張ってやりたいことをやっていきたいと思う。
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